n項間の漸化式#2


前回の記事「n項間の漸化式#1」では線形代数を用いたが,高校数学で作られた知人の解答を載せておく.問題は

漸化式
\[
a_{n+3} = -2a_{n+2} + a_{n+1} + 2a_n – 1,~~~~~a_1 = 1,a_2 = 2,a_3 = 3
\]
で定められる数列 $\{a_n\} \quad (n=1,2,3,\ldots)$ の一般項を求めよ.

である.以下の解答は隠しタグにしていないので,そのまま表示されることに注意.

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解答

与えられた漸化式を変形すると
\[
a_{n+3}-a_{n+1} =-2(a_{n+2}-a_{n})-1
\]
であるから
\[
\left\{
\begin{array}{lll}
a_{n+4}-a_{n+2} & = & -2(a_{n+3}-a_{n+1}-1) \\
& = & -2\{-2(a_{n+2}-a_n)-1\}-1 \\
& = & 4(a_{n+2}-a_n)+1 \\ \\
a_{n+4}-4a_{n+2} & = & -2(a_{n+3}-a_{n+1}-1)-3a_{n+2} \\
& = & -2\{-2(a_{n+2}-a_n)-1\}-1-3a_{n+2} \\
& = & a_{n+2}-4a_n+1
\end{array}
\right.
\]
すなわち
\[
\left\{
\begin{array}{l}
a_{n+4}-a_{n+2} = 4(a_{n+2}-a_n)+1 \\ \\ \tag{$\clubsuit$}
a_{n+4}-4a_{n+2} = a_{n+2}-4a_n+1
\end{array}
\right.
\]
が成り立つ.ここで,$\{a_n\}$ を添字の偶奇によって以下のように2つの数列 $\{b_n\},\{c_n\}$ に分割する.
\[
a_n = \left\{
\begin{array}{l}
b_{\frac{n+1}{2}} \\
c_{\frac{n}{2}}
\end{array}
\right.
\]

先に得られた漸化式 $(\clubsuit)$ より
\[
\left\{
\begin{array}{l}
b_{n+2}-b_{n+1} = 4(b_{n+1}-b_{n}) + 1 \\ \\ \tag{$\heartsuit$}
b_{n+2}-4b_{n+1} = b_{n+1}-4b_{n} + 1
\end{array}
\right.
\]
\[
\left\{
\begin{array}{l}
c_{n+2}-c_{n+1} = 4(c_{n+1}-c_{n}) + 1 \\ \\ \tag{$\spadesuit$}
c_{n+2}-4c_{n+1} = c_{n+1}-4c_{n} + 1
\end{array}
\right.
\]
が成り立つから $\to$ 補足1

$(\heartsuit)$ の1つ目の漸化式は
\[
b_{n+2}-b_{n+1} + \frac{1}{3} = 4\left(b_{n+1}-b_n + \frac{1}{3}\right)
\]
と変形できる.いま
\[
b_2-b_1 + \frac{1}{3} = a_3-a_1 + \frac{1}{3} = \frac{7}{3}
\]
であるから
\[
b_{n+1}-b_n = \frac{1}{3}(7\cdot 4^{n-1}-1) \tag{$\heartsuit’$}
\]
が成り立つ.$(\heartsuit)$ の2つ目の漸化式は
\[
b_{2}-4{b_1} =-1
\]
であるから
\[
b_{n+1}-4b_{n} = n-2 \tag{$\heartsuit”$}
\]
が成り立つ.$(\heartsuit’)-(\heartsuit”)$ を計算して
\begin{eqnarray*}
3b_{n} & = & \frac{1}{3}(7 \cdot 4^{n-1}-3n + 5) \\
b_{n} & = & \frac{1}{9}(7 \cdot 4^{n-1}-3n + 5)
\end{eqnarray*}
を得る.$(\spadesuit)$ の漸化式からは
\[
c_{2}-c_{1} + \frac{1}{3} = -\frac{14}{3}, \quad c_{2}-4c_1 = -11
\]
に注意すれば,$(\heartsuit)$ と同様に計算して
\[
c_n = \frac{1}{9}(-14 \cdot 4^{n-1}-3n + 35)
\]
を得る.ところで,$\{b_n\},\{c_n\}$ の定め方によれば
\[
a_n = \left\{
\begin{array}{lc}
\frac{1}{18}(7\cdot 2^{n}-3n+7) & (n:odd)\\ \\
\frac{1}{18}(-7\cdot 2^{n}-3n+70) & (n:even)
\end{array}
\right.
\]
である($ odd $ は奇数,$ even $ は偶数を表す)から奇数項と偶数項での違いは $7$ か $70$ かだけであると判る.奇数項で値が $7$ ,偶数項で値が $70$ となるような数列を求めると
\[
\frac{77}{2} + \frac{63}{2}(-1)^{n}
\]
である.したがって
\[
a_n = \frac{1}{36}\left\{77-14(-2)^n +63(-1)^n-6n \right\}
\]
を得る.

行列を用いたときとは全く異なるアプローチ.セオリー通りの操作も少なくないが,そう簡単に思いつくものなのだろうか.


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