[数III] 1.2 複素数平面


[数III] の 複素数平面についてのメモ.pdfで作成したテキストを投稿用に編集している.

 

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複素数平面

Def 1.5(複素数平面)
複素数 z の実部を x 軸,虚部を y 軸に対応させた座標平面を 複素数平面 という.複素数 z は複素数平面上の点を表し,複素数 z と原点との距離は |z| に等しい.z が表す点を単に点 z と表す.また,x 軸,y 軸に対応するものをそれぞれ 実軸虚軸 という.
コメント
  • 図形的に扱うために複素数 z が表す点をAとするときは A(z) などと表す.
  • 2点 \alpha\beta 間の距離は |\alpha - \beta| である.

例1.6 下図は2つの複素数 \alpha = 2 + 3i\beta = -4-i が表す点をそれぞれ A,B とし,それを複素数平面上にかいたものである.AB間の距離は

    \[ {\rm AB} = |\alpha - \beta| = |6 + 4i| = \sqrt{6^2 + 4^2} = 2\sqrt{13} \]

である.

 

Prop 1.7(複素数平面上の対称移動)
\alpha を複素数とする.点 \alpha に対して
1) 点 \overline{\alpha} は実軸に関して対称.
2) 点 -\overline{\alpha} は虚軸に関して対称.
3) 点 -\alpha は原点に関して対称.

 

Def 1.8(複素数の極形式)
0 でない複素数 z = x+yi に対して,原点Oと点 z を結んでできる線分と x 軸の正の部分とがなす角を z偏角 といい,\arg{z} と表す.また,r = |z|=\sqrt{x^2+y^2}\theta = \arg{z} とすると,x = r\cos{\theta}y = r\sin{\theta} と表すことができる.すなわち

    \[ z = r(\cos{\theta} + i\sin{\theta}) \]

と表すことができる.これを z極形式 という.

 

例 1.9 z = 1 + i の極形式は z = \sqrt{2}(\cos{45^{\circ}} + i\sin{45^{\circ}}) である.
詳細

 

複素数平面上での複素数の四則演算の意味は次のようになる.

Prop 1.10(複素数の実数倍,加法,減法)
複素数平面上の2点A(\alpha),B(\beta)0 でない実数 k に対し
1) \beta = k\alpha \quad \Longleftrightarrow \quad \overrightarrow{{\rm OB}} = k\overrightarrow{{\rm OA}}
2) C(\alpha + \beta) に対して \overrightarrow{{\rm OC}} = \overrightarrow{{\rm OA}} + \overrightarrow{{\rm OB}}
3) D(\alpha - \beta) に対して \overrightarrow{{\rm OD}} = \overrightarrow{{\rm OA}} - \overrightarrow{{\rm OB}}

 

Prop 1.11(複素数の乗法,除法)
極形式であらわされた2つの複素数 z_1 = r_1(\cos{\theta_1} + i\sin{\theta_1})z_2 = r_2(\cos{\theta_2} + i\sin{\theta_2}) に対し
1)

    \[ z_1z_2 = r_1r_2\bigl\{\cos{(\theta_1 + \theta_2)} + i\sin{(\theta_1 + \theta_2)}\bigr\}, \quad |z_1z_2| = |z_1||z_2|, \quad \arg{z_1z_2} = \arg{z_1} + \arg{z_2}.\]

2)

    \[ \frac{z_1}{z_2} = \frac{r_1}{r_2}\bigl\{\cos{(\theta_1 - \theta_2)} + i\sin{(\theta_1 - \theta_2)}\bigr\}, \quad \left|\frac{z_1}{z_2}\right| = \frac{|z_1|}{|z_2|}, \quad \arg{\frac{z_1}{z_2}} = \arg{z_1} - \arg{z_2}.\]

証明
  • z を原点中心に角 \theta だけ回転させた点は,z(\cos{\theta} + i\sin{\theta}) と表される.

 

Th 1.12(de Moivre の定理)
n を整数とするとき,次の等式が成り立つ.

    \[ (\cos{\theta} + i \sin{\theta})^n = \cos{n\theta} + i \sin{n\theta} \]

証明

例1.13 a を正の実数とする.n 乗して a になる複素数は次の n 個である:

    \[ z_k = \sqrt[n]{a}\left( \cos{\frac{2k\pi}{n}} + i\sin{\frac{2k\pi}{n}} \right)~~~(k = 0,1,2,\cdots\cdots ,n-1) \]

詳細
  • この n 個の複素数は,点 (\sqrt[n]{a}) を頂点に持ち,半径 \sqrt[n]{a} の円に内接した正 n 角形の頂点を表す.

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