数学

Mercator級数

無限級数
\[
\sum_{n=1}^{\infty}\frac{(-1)^{n-1}}{n} = 1-\frac{1}{2} + \frac{1}{3}-\frac{1}{4} + \cdots
\]
は Mercator級数 と呼ばれ,その値は $\log{2}$ に収束することが知られている.今回はMercator級数と関連する級数の値の導出について,いくつかの手順をまとめる.

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Basel問題

Basel 問題は自然数の平方数の逆数の和
\[
\sum_{n=1}^{\infty} \frac{1}{n^2} = \frac{1}{1^2} + \frac{1}{2^2} + \frac{1}{3^2} + \cdots
\]
を求める問題である.この級数の和が $\pi^2/6$ に収束することを高校数学の範囲で示す方法についてまとめる.

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Basel問題の一般化の1つとして,Riemann(リーマン)によって
\[
\zeta (s) = \sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{n^s} \qquad \text{( $s$ は複素数)}
\]
が与えられている.この関数はRiemann zeta関数とよばれ,$s$ が実数であれば $s > 1$ で収束することが知られている.Basel 問題は $s = 2$ , すなわち $\zeta(2)$ の値を求める問題である.

 

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Leibniz の公式

円周率と無限和に関する等式
\[
1-\frac{1}{3} + \frac{1}{5}-\frac{1}{7} + \cdots = \frac{\pi}{4}
\]
を Leibnizの公式 という.ここでは上の式をLeibnizの公式,左辺の級数
\[
\sum_{n=0}^{\infty}\frac{(-1)^n}{2n+1} = 1-\frac{1}{3} + \frac{1}{5}-\frac{1}{7} + \cdots
\]
をGregory-Leibniz級数とよぶことにする.今回はLeibnizの公式と関連する級数の値の導出について,いくつかの手法をまとめる.

補足(click)

GregoryはLeibnizと同じ時期に,上の等式を独立に発見したとされるが,実はその300年前にMadhavaによって発見されていたことから,左辺をMādhavaの級数とよぶこともある.

また,Leibnizの公式は次の法則をさす場合がある:

Theorem(Leibniz Rule)

$n$ 回微分可能な関数 $f(x), \, g(x)$ に対して
\[
\frac{d^n}{dx^n} \biggl(f(x)g(x)\biggr) = \sum_{r=0}^{n}{}_{n}\textrm{C}_{r}f(x)^{r}g(x)^{n-r}
\]
が成り立つ.

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積分メモ#2

今回は対称性をもつ連続関数の性質を用いた定積分についての簡単なメモ.具体的には,次のような定積分

\[
\int_{0}^{4} \frac{\sqrt{x}}{\sqrt{x} + \sqrt{4-x}} \,dx ~, \quad \int_{0}^{\pi} \frac{x\sin^3{x}}{4-\cos^2{x}}\,dx
\]

の値を求める.

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n項間の漸化式#2

前回の記事「n項間の漸化式#1」では漸化式
\[
a_{n+3} = -2a_{n+2} + a_{n+1} + 2a_n – 1, \quad a_1 = 1, \quad a_2 = 2, \quad a_3 = 3
\]
で定められる数列 $\{a_n\} \quad (n=1,2,3,\ldots)$ の一般項を線形代数(大学数学)を用いて求めた.今回は一般的な手法ではないが,高校数学の議論だけで一般項を求めた解答についてのメモ.

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n項間の漸化式#1

$n$ 項間漸化式から数列の一般項を求める問題を考える.

$2$ 項間,$3$ 項間の漸化式の解法はよく知られているが,今回は線形代数(大学数学)を用いて

\[
a_{n+3} = p a_{n+2} + q a_{n+1} + r a_n + s \tag{$\diamondsuit$}
\]

の形の $4$ 項間漸化式を満たす数列 $\{a_n\}$ の一般項を求める.

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Maclaurin展開#1 指数関数

指数関数 $e^x$ は
\[
e^x = \sum_{n=0}^{\infty}\frac{x^n}{n!} \tag{$\spadesuit$}
\]
の形で表すことができる.ただしここでは
\[
0! = 1, \quad 0^0 = 1
\]
と考える.この右辺の級数を得ることを,指数関数 $e^x$ を Maclaurin(マクローリン)展開(あるいは $x=0$ の周りで Taylor(テイラー)展開)する という.上の等式は任意の実数で成り立つことが知られているが,今回は $x \geqq 0$ の場合に成り立つことを高校数学の範囲で示す手順についてのメモ.

 

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