逆行列の公式

正則行列の逆行列,ブロック行列の性質に関連したいくつかの定理・公式についてのノート.

逆行列補題(Woodburyの公式),Schur補行列を用いたブロック行列の逆行列の表現,複素行列の実行列への埋め込みなどをまとめる.

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Stirlingの公式

Stirling の公式(Stirling の近似)は,$n!$ の値を近似する公式である.近似の精度に応じていくつかの種類があるが,今回はその1つである

\[
n! \sim \sqrt{2\pi n}\left(\frac{n}{e}\right)^n
\]

を導出する方法についてのメモ.

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行列の上三角化

$n$ 次実正方行列 $A$ の各固有値の重複度と,対応する固有空間の次元が一致するとき(あるいは $A$ が $n$ 個の1次独立な固有ベクトルをもつとき),$A$ は対角化可能(diagonalizable)である.一方,$A$ が対角化可能でないときでも,$A$ を上三角化(triangular)することができる.すなわち

\[
P^{-1}AP = \left[
\begin{array}{ccccc}
\lambda_1 & & & & \\
&\lambda_2 & & \ast &\\
& & \ddots & \\
& 0 & & \ddots & \\
& & & & \lambda_n
\end{array}
\right]
\]

なる正則行列 $P$ が存在する.ここで $\lambda_i~~(i = 1,2,\ldots ,n)$ は $A$ の固有値.

この $P$ が存在することを証明したものはよく見かけるが,実際に計算した例を見ることは少ない気がする.難しいことは考えずにとりあえず Jordan 標準形を構成してしまえば,それが上三角化行列になるからだろうか.

今回は正則行列 $P$ によって(Jordan 標準形を前提とせずに)上三角行列を構成するための手順をまとめた.
$P$ が存在することの証明はせず,途中の計算も大幅に省略した.なお,さらに強い条件として $P$ を直交(ユニタリ)行列にすることもできる(Schur分解).

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