TMyuki
幾何学, 数学
三角形, 位置ベクトル, 内心, 垂心, 外心, 重心
空間内の三角形 の各頂点の位置ベクトルを用いて,三角形の重心,外心,内心,垂心の位置ベクトルを表現することを考える.
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導出には以下のノートの結果を利用する:
記号のルール
- の面積を と表すことにする
- ,, と表現する
- ,, と表現する
重心の位置ベクトル
および重心 に対して
が成り立つ.

証明(click)
直線 と直線 の交点を とする.

重心の性質より であるから
である. および も同様であるから
を得る.したがって
である.
外心の位置ベクトル
および外心 に対して
が成り立つ.

鋭角三角形の場合の証明(click)
が鋭角三角形の場合,すなわち外心 が の内部にある場合を考える.外接円の半径を とおく.

外心の性質より である.また,円周角の定理より である.したがって
が成り立つ.同様にして
が成り立つから
を得る.したがって
である.
鈍角三角形の場合の証明(click)
が鈍角三角形の場合,すなわち外心 が の外部にある場合を考える. の外接円と直線 の交点のうち,点 でないものを とする.

円に内接する四角形の性質より であるから
が成り立つ.また より
が成り立つから, とその内部の外心 に対する位置ベクトルは
を満たす.ここで
であるから,これを用いて整理すると
が得られる.
内心の位置ベクトル
および内心 に対して
が成り立つ.

証明(click)
内接円の半径を とおく.

内心の性質より,点 から各辺に下した垂線の長さは であるから
が成り立つ.同様にして
が成り立つから
を得る.したがって
である.
垂心の位置ベクトル
および垂心 に対して
が成り立つ.

鋭角三角形の場合の証明(click)
が鋭角三角形の場合,すなわち垂心 が の内部にある場合を考える.直線 と直線 の交点を とする.

垂心の性質より および は直角三角形であるから
である.したがって
が成り立つから
である.同様にして について考えれば
を得る.したがって
である.
鈍角三角形の場合の証明(click)
が鈍角三角形の場合,すなわち垂心 が の外部にある場合を考える.ここで, であるから,正接の加法定理より
が成り立つので
であることに注意する.いま,垂心の性質から点 は鋭角三角形 の垂心である.

である.また,直線 と直線 の 交点を ,直線 と直線 の 交点を とすると,四角形 が同一円周上にあることから
が成り立つので, とその内部の垂心 の位置ベクトルは
これを について整理すれば
を得る.
直角三角形の場合の補足(click)
直角三角形のとき,垂心は直角の頂点と一致する.例えば のとき,垂心は点 と一致するが,このとき は定義されない.一方, を利用して
と表現すれば,, であるから
となる.したがって,この式は直角三角形の場合も成立していると考えることができる.
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